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Admina外部公開ファイル検出の誤検出を解決する方法

Katsutoshi Murakami 更新 by Katsutoshi Murakami

外部公開ファイル検出の誤検出を解決する方法

  • Google Drive のポリシーで外部共有を禁止しているのに、Admina が外部共有を検出する問題があります
  • 原因は Google Drive API がポリシーを無視してファイル単位の共有設定を返すためです
  • 解決方法は2つあります:
    • ① Google Drive での一括修正
    • ② Admina で検査対象ドライブを限定

問題の背景

外部公開ファイル検出機能は、組織のセキュリティ管理において重要な役割を果たしています。しかし、特定の状況下で誤検出が発生することがあります。

発生する状況

以下のような企業で問題が発生します:

  1. 過去に外部共有を許可していた期間があった
  2. 現在は Google Drive のポリシーレベルで外部共有を禁止している
  3. 実際には外部からアクセスできないファイルが存在する

この状況下で、Admina は外部共有・パブリック共有として検出してしまいます。

問題の原因

Google Drive API の制限

この問題の根本原因は、Google Drive API の仕様にあります

  • Google Drive API:ファイル・フォルダごとに設定された共有設定をそのまま返す
  • 実際のアクセス:組織のポリシー設定により制限される
  • 結果:API では「外部共有許可」と表示されるが、実際にはアクセス不可

つまり、Google Drive API は適用されているポリシーを解釈せず、ファイル単位の権限設定のみを参照するため、実際にはアクセスできないファイルでも「共有中」として検出されてしまいます。

Admina での影響

Admina はGoogle Drive API を使用してファイルの共有状況を取得しているため、この制限の影響を受けます:

  • ポリシーレベルで禁止されているにも関わらず外部共有として検出
  • 実際には外部からアクセス不可能なファイルも「リスク」として認識
  • 情シス担当者が本当のリスクを特定しにくくなる

1つめの解決方法:元ファイルの権限を一括修正

この問題を解決するには、Google Drive で過去の共有設定を一掃します。

必要な作業の概要

  1. Google Drive の検索フィルターで外部共有ファイルを特定
  2. 該当ファイルを一括選択
  3. 共有設定を組織内に限定して更新

詳細手順

ステップ 1: 検索フィルターの設定

  1. Google Drive にアクセスして、画面上部の検索バーの右端にあるフィルターアイコンをクリックします
  2. 「検索オプション」ダイアログが表示されたら、「場所」のドロップダウンをクリックします
  3. 検索対象を選択します:
    • 共有ドライブ:特定の共有ドライブを選択
    • マイドライブ:個人ドライブ内を対象にする場合
  4. 対象を選択後、「選択」をクリックして「検索」ボタンをクリックします

ステップ 2-A: 外部共有ファイルの検索

  1. 検索バーにsharedwith:externalと入力して Enter キーを押します
    • 外部の特定ユーザーやドメインと共有されているファイルが表示されます。
    • 誰でもアクセス可能な設定になっているファイルも表示されます。
  2. 検索結果を確認して、外部共有されているファイル一覧を把握します

ステップ 2-B: パブリック共有ファイルの確認

  1. 検索バーの内容をsharedwith:publicに変更して Enter キーを押します
    • 誰でもアクセス可能な設定になっているファイルが表示されます
  2. パブリック共有ファイルも確認し、必要に応じてメモを取ります

ステップ 3: 共有設定の一括更新

  1. 検索バーをsharedwith:externalに戻し、外部共有ファイル一覧を表示します
  2. 対象ファイルを一括選択します:
  3. 上部メニューバーの共有アイコン(人型のアイコンにプラスマーク)をクリックします
  4. 「○ 個のファイルを共有」ダイアログが表示されたら、「一般的なアクセス」セクションのドロップダウンをクリックします
  5. 組織名(例:「Money Forward i」)を選択します
    • これにより、アクセス権が組織内に限定されます
  6. 「完了」ボタンをクリックします

ステップ 4: 結果の確認

  1. 画面左下に「アクセスを更新しました」というメッセージが表示されることを確認します
  2. 検索バーにsharedwith:publicと入力して Enter キーを押します
  3. 「一致する結果がありません」と表示されれば、パブリック共有が正常に解除されています
  4. sharedwith:externalでも同様に確認して、外部共有が解除されていることを確認します

複数の共有ドライブがある場合

組織に複数の共有ドライブがある場合は、各共有ドライブごとに上記手順を繰り返してください:

  1. 検索オプションで対象の共有ドライブを選択
  2. sharedwith:externalおよびsharedwith:publicで検索
  3. 該当ファイルの共有設定を更新

作業後の確認

Admina での確認

作業完了後の次回同期でのAdmina の検出結果に反映されます(最長7日):

  • 外部公開ファイル検出の件数が減少
  • 実際のリスクファイルのみが表示される

2つ目の解決方法:Admina 設定による検査対象の指定

上記の Google Drive での一括修正以外にも、Admina の設定で検査対象を限定することで問題を回避できます。

この方法が適している場合

  • ポリシーで外部共有が禁止されている共有ドライブが明確に特定できる
  • 過去のファイル修正よりも、今後の検査対象調整を優先したい
  • より簡単で即効性のある解決策を求めている

設定手順

  1. Admina にログインし、「サービス」 > 「Google Drive」 > 「ファイルタブ」を開きます
  2. 🔧「同期するファイルを変更」ボタンをクリックします
  3. 共有ドライブの指定セクションで、「Drive IDs」に検査対象にしたい共有ドライブの Drive IDを入力します

    参考【Google Drive】検知するファイルの条件を指定する

  4. 保存をクリックして設定を適用します
  5. 同期ボタンで手動同期を実行し、設定が反映されることを確認します

Drive ID の確認方法

共有ドライブの Drive ID は、ブラウザで該当する共有ドライブを開いた際の URL の一部から確認できます:

https://drive.google.com/drive/folders/【Drive ID】
^^^^^^^^^^^
この部分が Drive ID

方法選択のガイドライン

方法

メリット

デメリット

適用場面

Google Drive での一括修正

・根本的な解決

・作業時間がかかる

・完全な解決を求める場合

Admina 検査対象の限定

・即座に効果

・根本解決ではない

・クイック対応が必要

推奨:ポリシーで外部共有が完全に禁止されている共有ドライブについては、Admina の検査対象から除外することで効率的に対処できます。

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