目次

2-1.Windowsブラウザ拡張機能を配布(GPO/MDM対応)

Yamaguchi Kaori 更新 by Yamaguchi Kaori

GPO/MDMの設定は各社の環境により大きく異なります。本資料に記載する配布手順は参考情報としてご利用ください。拡張機能自体の動作は検証済みですが、配布設定が既存のポリシーや環境に影響を与えないことを保証するものではありません。実施前に検証環境でのテストを推奨します。

ブラウザ拡張機能をWindows環境(Google Chrome/Microsoft Edge)へ展開するための手順をご案内します。

本ガイドでは、Active DirectoryのGPOやMDMを利用した配布、および手動インストールの方法を解説します。

   

ガイドブック、batファイルのダウンロード

詳細な技術仕様やトラブルシューティングを含むガイド(PDF)とbatファイルは、以下よりダウンロードいただけます。

※以下をクリックすると同じタブでファイルが開きます。ダウンロード後は、ブラウザの「戻る」ボタンで本ページにお戻りください。

Admina_Setup_Guide.pdf

edge_chrome_extension.txt

check_extension_registry.txt

前提条件

対象のWindows端末およびネットワーク環境が以下の条件を満たしているかご確認ください。

項目

条件

備考

対象OS

Windows10以降

64bit/32bit 両対応

ブラウザ

Google ChromeまたはMicrosoft Edge

最新バージョンの利用を推奨

通信許可

Chrome:clients2.google.comへのHTTPS通信

Edge:edge.microsoft.comへのHTTPS 通信

拡張機能本体のダウンロードに必要

実行権限

GPO:Active Directoryドメイン環境、GPO管理権限

MDM:対象MDMの管理権限

GPO:ログオンスクリプトの構成に必要

MDM:スクリプトまたはレジストリ配布に必要

レジストリ構成の全体像

本セットアップでは、ChromeとEdgeそれぞれに対して「拡張機能の強制インストール設定」と「拡張機能へのパラメーター配布」の2種類のレジストリキーを登録します。FAQもご参照ください。

項目

説明

レジストリハイブ

推奨:HKLM(HKEY_LOCAL_MACHINE)の使用

設定先のSoftware\Policiesは特殊な領域で、HKCUであっても一般ユーザー権限では書き込み不能です。HKLMなら端末全体に適用できます。

「管理者として実行」した際、HKCUだと実行した管理者自身のプロファイルに書き込まれてしまいます。HKLMならログインユーザーへ反映されます。対象ユーザー自身がローカル管理者権限を持っている場合に限り、HKCUも利用可能です。

UserEmailの動的設定

権限制約により、ユーザーごとに異なるパラメーターをレジストリに直接書き込むことができないため、ユーザー環境変数を経由して値を渡します。

ログオンスクリプト等でユーザー環境変数USEREMAILを設定し、レジストリ側では%USEREMAIL%を参照する形をとります。HKLM のレジストリ値は全ユーザー共通の%USEREMAIL%のまま、実際の値はログインしたユーザーごとに動的に解決されます。

ExtensionSettings 3rdparty\policyの役割

ExtensionSettingsキーはブラウザに対して「この拡張機能を強制的にインストールせよ」と指示する制御層です。一方、3rdparty\policy キーはインストールされた拡張機能に対して設定パラメーターを渡す通信層です。両方が揃って初めて、拡張機能が正しい設定で自動インストールされます。

Admina 拡張機能に渡せるパラメーター

パラメーター

種別

説明

ApiKey

固定値

Admina管理画面から取得するAPI キーです。

設定 > 組織 > ブラウザ拡張 > 拡張機能のポリシーの値をApiKeyに設定します。

CreatedDate

固定値

ポリシー作成日時(ISO8601形式)です。

設定 > 組織 > ブラウザ拡張 > 拡張機能のポリシーの値をCreatedDateに設定します。

OrganizationID

固定値

Adminaの組織IDです。

設定>APIキー一覧>組織ID:の数字をOrganizationID"="xxxxxxx"に入力します。 

UserEmail

動的

ユーザーのメールアドレス。スクリプトで設定。

UserEmailは配布スクリプトが以下の優先順でメールアドレスを自動判定します。whoami /upn(Entra ID環境で UPNを取得)が最優先で、取得できない場合はUSERNAME@DomainPartにフォールバックし、さらに COMPUTERNAME、HOSTNAME、LOGONSERVERの順に試行します。

UserPc

動的

ユーザーの端末ホスト名。スクリプトで設定。

UserPcはCOMPUTERNAME環境変数から取得し、未定義の場合はhostnameコマンド→HOSTNAME→LOGONSERVERの順でフォールバックします。

設定手順

パラメーター取得(Admina)

Adminaでスクリプトに設定する固定値(ApiKey, CreatedDate, OrganizationID)を取得します。

  1. Adminaの設定 > 組織 > ブラウザ拡張機能 > 拡張機能のポリシーを[コピー]し、テキストエディタなどに貼り付けます。
    コピーした値にApiKey、CreatedDateが含まれています。
  2. 設定>APIキー一覧>組織IDを[コピー]し、テキストエディタなどに貼り付けます。
    コピーした数値をOrganizationID"="xxxxxxx"に設定します。 

             

スクリプトの準備

配布スクリプトedge_chrome_extension.bat(edge_chrome_extension.txt)の冒頭にある定数部を環境に合わせて編集します。

変数

設定内容

DomainPart

メールアドレスの@以降

example.com

ApiKey

取得したパラメーターの値

(Admina管理画面から)

CreatedDate

取得したパラメーターの値

2025-12-11T00:00:00Z

OrganizationID

取得したパラメーターの値

(Admina管理画面から)

RegRoot

HKLMを推奨(詳細は第2章参照)

HKLM

配布手順

配布方法

GPOによる配布

MDMによる配布

手動による配布

GPO による配布

スクリプトの配置:編集済みのbatファイルをSYSVOLのscriptsフォルダに配置します。

例:ADサーバー利用時に使えるシステムボリュームを使う例(一例)

配置先:\\<DOMAIN>\SYSVOL\<DOMAIN>\scripts\admina\edge_chrome_extension.bat

     

GPOの設定

以下の手順でGPOを構成します。

  1. グループポリシー管理コンソール(GPMC)を開きます。
  2. 対象のOUに適用するGPOを作成(または既存GPOを編集)します。
  3. ユーザーの構成 > ポリシー > Windowsの設定 > スクリプト(ログオン/ログオフ)> ログオンを開きます。
  4. [追加]をクリックし、SYSVOLに配置したスクリプトのパスを指定します。
  5. GPOを対象OUにリンクします。
  6. 配布対象のユーザーが次回ログオンした際にスクリプトが実行され、レジストリが設定されます。
    ブラウザが次回ポリシーを読み込んだタイミングで拡張機能がインストールされます。
    GPO設定の詳細はWindowsにGPOで配布する手順をご参照ください。

     

MDMによる配布

MDM(Intune等)を使用して配布する場合は、各MDM製品のスクリプト配布機能またはレジストリ配布機能を使用して、レジストリキーと値を配布してください。具体的には以下のいずれかの方法で実装できます。

具体的な設定手順はご利用の MDM 製品のドキュメントを参照し、各社の環境に合わせて実装してください。

スクリプト配布

MDMのスクリプト実行機能でedge_chrome_extension.batを配布・実行します。

レジストリ配布

MDMのレジストリ管理機能で、2.1のレジストリツリーに記載のキーと値を直接配布します。

手動実行による配布

配布スクリプトを端末上で直接実行する方法(ローカルインストール)です。Software\Policies配下への書き込みとなるため、いずれの場合も管理者権限が必要です。

実行ユーザーの権限

実行方法

推奨

説明

ローカル管理者権限あり

batファイルを右クリック > [管理者として実行]

HKCU または HKLM

自身の権限で実行するため、どちらのハイブにも書き込み・反映が可能です。

ローカル管理者権限なし

RegRootをHKLMに設定

HKLM

ローカル管理者権限を持っていないユーザーがRun as Administratorで昇格実行する。

(非推奨ケース)

一般ユーザーがHKCUで実行

なし

HKCUの場合、Administratorユーザーのレジストリハイブに書き込まれ、対象ユーザーには反映されません。

結果・動作確認

インストールスクリプトの出力確認

インストールスクリプト(edge_chrome_extension.bat)は実行中に各ステップの結果を表示します。

正常終了した場合、以下のような出力が得られます。(手動で実行した場合)

[1] から [5] の各ステップでエラーが表示されていないことをご確認ください。特に [5] のレジストリ値一覧で、各パラメーターの値が意図したものと一致していることを確認します。

       

チェックスクリプトによる確認

レジストリの設定状況を確認するための読み取り専用スクリプト(check_extension_registry.bat=check_extension_registry.txt)が用意されています。

このスクリプトはレジストリへの書き込みは行わず、HKCUとHKLMの両方をスキャンして結果を表示します。(手動で実行した場合

正常に設定されている場合の出力例:

すべての項目が [OK] であり、Summary で missing が 0 であればレジストリ設定は正常です。[--] が表示される項目がある場合は、インストールスクリプトを再実行してください。

      

ブラウザ上での拡張機能表示確認

ブラウザがポリシーを再読み込みした後、拡張機能がインストールされていることを確認します。

Admina拡張機能が一覧に表示され、有効になっていることをご確認ください。強制インストールされた拡張機能は「組織によってインストール済み」と表示される場合があります。

Chrome

アドレスバーにchrome://extensionsを入力します。

Edge

アドレスバーにedge://extensionsを入力します。     

パラメーター受け渡しの確認

Chrome の場合(chrome://policy

Chrome では「ポリシー」画面から拡張機能に渡されたパラメーターを直接確認できます。

  1. アドレスバーにchrome://policyを入力します。
  2. [ポリシーを再読み込み]をクリックします。
  3. Admina拡張機能のポリシーの「ApiKey、CreatedDate、OrganizationID、UserEmail、UserPc」の表示を確認します。

   

Edge の場合(Diag データ)

Edgeでは「edge://policy」画面で拡張機能のパラメーターを確認できません。Edgeの場合、AdminaのDiagデータでご確認ください。

Diagデータの確認方法はDiagデータの確認方法 - Admina Supportをご参照ください。

すべての値が正しく確認できれば、セットアップは完了です。最小5分から最大30分程度でデータの送信が開始されます。

           

FAQ

Q. HKCUHKLMどちらを使うべきか?

A. HKLMを推奨します。Software\Policies配下はいずれも管理者権限が必要であり、HKCUに権限上の優位性はありません。さらに、Run as Administratorで昇格実行した場合にHKCUだとAdministratorのハイブに書き込まれてしまうリスクがあります。対象ユーザー自身がローカル管理者権限を持っている場合に限りHKCUも選択可能です。

      

Q. ChromeEdgeで拡張機能IDが異なるのはなぜ?

A. Chrome Web StoreとMicrosoft Edge Add-onsはそれぞれ独立したストアであり、同じ拡張機能でも異なるIDが割り当てられます。Chromeはbdeanmdeckegmfjpbnngomallcedjold、Edgeはflggmhlpipcopffjfkpgkoljghfkmfcgです。配布スクリプトは両方に対応しています。

  

Q. whoami/upnが使えない環境ではどうなる?

A. オンプレミス AD のみの環境などUPNが取得できない場合は、自動的にUSERNAME@DomainPartにフォールバックします。スクリプト冒頭のDomainPart変数に正しいドメイン名を設定しておく必要があります。

なお、環境の都合で正しいメールアドレスを組み立てられない場合でも、ここで設定されるEmailをAdminaのディレクトリ上でセカンダリアドレスとして指定すれば、ユーザーとのマッチングが可能になります。

   

Q. レジストリ設定後にブラウザの再起動は必要か?

A. 必須ではありません。Chrome/Edgeはバックグラウンドで定期的にポリシー設定を再読み込みするため、一定時間経過後に自動反映されます。ただし再読み込みの間隔は一定ではないため、即時反映したい場合は以下の手順でポリシーをリロードしてください。

Chrome

アドレスバーにchrome://policyを入力 > [ポリシーを再読み込み]をクリック

Edge

アドレスバーにedge://policyを入力 > [ポリシーを再読み込み]をクリック

Q. 拡張機能をアンインストールするには?

A. 以下のレジストリキーを削除してください。ブラウザが次回ポリシーを再読み込みしたタイミング、またはブラウザ再起動時に拡張機能が削除されます。即時反映したい場合は chrome://policy または edge://policy からリロードしてください。

Chrome の場合

HKLM\Software\Policies\Google\Chrome\ExtensionSettings\bdeanmdeckegmfjpbnngomallcedjold

HKLM\Software\Policies\Google\Chrome\3rdparty\extensions\bdeanmdeckegmfjpbnngomallcedjold

Edge の場合

HKLM\Software\Policies\Microsoft\Edge\ExtensionSettings\flggmhlpipcopffjfkpgkoljghfkmfcg

HKLM\Software\Policies\Microsoft\Edge\3rdparty\extensions\flggmhlpipcopffjfkpgkoljghfkmfcg

Q. すでにインストール済みの端末に再度配布した場合はどうなる?

A. レジストリ値が上書きされるだけで、拡張機能の二重インストールなどは発生しません。パラメーターの更新が必要な場合(UserEmail の変更など)にも、同じスクリプトを再実行すれば安全に上書き反映されます。

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2-0.Admina用ブラウザ拡張機能を配布してシャドーITを検知・サービスアクティビティを取得する

2-2.Google Workspace管理コンソールを用いたChrome拡張機能の配布

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